内容紹介
内容(「MARC」データベースより)
レビュー
フランス国立東洋言語研究所の教授である著者が、多くの資料をもとに2001年に著した日本美術史の日本語版。幕末の西洋との出会いからスーパーフラットまで、近代から現代における日本美術の変遷を詳しく記述している。混沌とした表現の歴史の中から、とくに「写実」「リアリズム」などの「現実的なるものの希求」という恒常的なテーマをすくいあげている。

序 章 西洋から日本へのまなざし 西洋から日本へのまなざし 第1章 19世紀の日本と西洋との出会い 1 新技術とその反動 蘭学の遺産と現実の科学的再現 高橋由一 実験的な試みへの意欲 「見世物」 2 用語定義の作業 言葉と概念 「洋画」と「日本画」 洋画 日本画 第2章 湧き立つ大正 1 最盛期 20世紀初頭の日本 表現手段の自由化と組織の改革 キリスト教の影響 2 岸田劉生とでろりの美 歴史的位置づけ 劉生の歩み リアリズムの選択 デカダンス 偶発事からグロテスクなデフォルマシオンへ 3 アヴァンギャルド 最初の手がかり 日本における未来派 マヴォ 第3章 大戦前夜、ひろがる危機感 1 国民美術のために プロレタリア美術とその弾圧 ローカル・カラー 真をつくる、我にそくす 2 大衆芸術の発展 ピクトリアリズムからの脱却 大衆へアピールする絵画 3 安定のない調和のために シュルレアリズムの誕生と発展 抽象芸術の復活 第4章 大戦下の芸術家 1 国家総動員のイデオロギー 国家体制 芸術家と国民の団結 ドイツ、イタリアとの関係 検閲、弾圧そして周縁での自由 国家総動員態勢 2 戦争体験 既出のイメージに訴えかける 藤田嗣治と玉砕図 リアリズムとアヴァンギャルドの疲弊 第5章 語ること、再建すること 1 ゆるやかな復興 総決算期 アメリカの存在が与えた影響 美術家の戦争責任をめぐる議論 美術界の再編成 新たな表現対象へ 美術政策の広がり 2 復 活 直面する死 体験に顔を与えるということ 荒ぶる力による発見―「具体」の場合 3―増長 アンフォルメル 反芸術運動 ポップアート パフォーマンス コンセプチュアル・アート 増殖の芸術 第6章 開放と自閉の20世紀末
1 新しい枠組み 歴史的時間と社会情勢 新しい政策の手法 新しい学問分野としての近代日本美術史 日本美術の範囲とは? 美術の実践とその環境 2 「もの派」と対象物による啓示 ものの経験 異なる感性 ポスト「もの派 3 眼の氾濫 荒木経惟と私写真の跳梁 生とフィクションとの間 スーパーフラット 終章 ひとつのモチーフの展開 ひとつのモチーフの展開 参考文献目録 訳者あとがき 索引 著者紹介 訳者紹介