出版社/著者からの内容紹介
明治末の文部省美術展覧会は、それまでの美術の鑑賞スタイルを大きく変え、おびただしい数の観衆を生み出した。本書は、美術を受容し、愛好する人々=観衆がいかに形成されていったのかを、投稿雑誌や美術雑誌
に焦点をあてて考察する。美術を成り立たせるものは何かを問う近年の研究に、新たな視点を提示。

観衆の研究
第1部 展覧会制度と観衆(文部省美術展覧会の開設と観衆
美術の一般化と観衆の出現―「絵画の約束」論争を中心に
明治大正名作美術展覧会をめぐって―近代美術展、近代美術館、近代美術史)
第2部 発言する読者―投書と投稿画(コマ絵投書と新興美術運動―『文章世界』投稿画を中心に
投稿画と同人誌―「銀皿」時代の東郷青児の登場
明治末期における美意識と「美術」の制度―1909(明治42)年の『万朝報』の懸賞募集を通して)
第3部 美術雑誌と読者ネットワーク(美術雑誌
読者ネットワークのなかの柳瀬正夢
大正期美術雑誌の投書欄について―読者とアマチュア
「研究所だより」から―「アマチュア=画家」と美術雑誌読者の世界)
第4部 「大衆芸術」時代の観衆(新興美術運動と大衆芸術
村山知義の「天国地獄」―戦前の日本モダニズムの挫折)