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ブラック・ノイズ: トリーシャ・ローズ 新田 啓子: 本

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ブラック・ノイズ

ブラック・ノイズ

内容紹介

1970年代初頭に誕生したラップ・ミュージックは、
音楽の一ジャンルを越えて
いまや世界的な文化現象へと変貌した。
ヒップホップ・カルチャーの中核をなす
この大衆音楽の背景をはじめて理論化し、
ヒップホップ・カルチャー研究の
プロトタイプを作ったのが本書である。

労働市場からの排除、苛烈な取り締まり、
仲間への虚勢、女性の欲望、鬱屈と暴力、
子ども時代の記憶など、
アメリカ社会の周縁から発する声を
生き生きと集結するラップ・ミュージックは、
常に激しい批判の矢面に立ちながら発展を遂げてきた。
過激な歌詞は暴動を扇動するのか。
サンプリングの手法は独創性の欠如ではないか。
大音響の歪んだサウンドは音楽と言えるのか。
ラップは世界的な人気を得て大々的に流通する一方で、
犯罪予備軍の黒人の若者が叫ぶ「雑音」と見なされ、
取り締まりの対象とされてきた。

ローズはラップの文法と
その背後にある複雑な力学を緻密に分析し、
ラップの思想性と政治性、音楽としての位置づけ、
社会的な葛藤の渦中から生まれる創造性を
明らかにしていく。
ラップという現象は
スラムの犯罪性の表出でもなければ、
ポスト産業社会における音楽の一形態でもない。
それは人種差別と階層格差の只中で対話を続け、
公共領域を創造する表現の戦略なのだ。
本書は社会的・人種的対立に満ち、
矛盾を孕みながら文化を創造する、
ラップ・ミュージックの「ノイズ」を見事に理論化した。

内容(「BOOK」データベースより)

都市貧困層の黒人が生んだラップ・ミュージック。歪んだ音響に切実な叫びを乗せ、自己の存在を世界に刻む。その力学を解き明かすヒップホップ文化研究の最重要書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ローズ,トリーシャ
ニューヨーク、ハーレムに生まれる。現在、ブラウン大学アフリカ研究学部教授。専攻はアフリカ系アメリカ文化研究。学術書として初めてヒップホップ・カルチャーを取り上げた『ブラック・ノイズ』は、1995年、アメリカ図書賞を受賞し、『ヴィレッジ・ヴォイス』紙の年間最優秀図書25冊にも選ばれた

新田 啓子
東京に生まれる。ウィスコンシン大学マディソン校大学院博士課程修了。東京学芸大学教育学部。一橋大学大学院言語社会研究科を経て、立教大学文学部英米文学専修准教授。専攻はアメリカ文学、文化理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

目次

第1章 周縁からの声―ラップ・ミュージックと黒人文化生産のいま
第2章 「夜汽車は出発準備完了」―脱産業都市ニューヨークのフロウ、レイヤリング、ラプチャー
第3章 ソウルな音響の力―ラップ・ミュージックにおけるテクノロジー、口承性、黒人文化の実践
第4章 怒れる予言者―ラップ・ミュージックと黒人文化表現
第5章 悪女たち―黒人女性ラッパーとラップの性の政治学