出版社 / 著者からの内容紹介
謎の多いボスの絵の中で、とくに気になるのが画面に登場する人物の視線だ。じっと見つめている対象は「なんだろう」と考えさせられる。視線のドラマ! 祭壇画『快楽の園』の中の樹木人間のまなざしは、人間の愚かさと罪の数々をさめた目で観察しているボスその人と解釈される。作家中野孝次氏もその一人だが、この絵と出会った最初から謎となったという。さらに地獄の業火、血の池、怪物が人を飲み込み排泄する。この奇怪で、幻想的な絵を見て「これは現代世界を鋭く描き出した絵としても通るだろう。革命と戦争の世紀だった二十世紀、……核爆弾のような大量殺人兵器が開発され、世界のタガが外されてしまったようだった世紀を、こんな形象をもって画家は描いたととることもできよう」と現代と相通じる世界をも見てとる。それにしても、ボスは人間の顔をした悪魔を描いた。どうやってこのような人間の表情を描いたのだろう。中野氏は、自身の戦争体験を通して中世、世紀末の謎の天才画家に熱い共感を覚え、その不思議な感性に迫る。
内容(「BOOK」データベースより)
中世、謎の画家ボスと作家中野孝次が交信。名著『ブリューゲルへの旅
』の著者が、ブリューゲルの師、天才画家ボスの謎に迫る。
内容(「MARC」データベースより)
ピカソもダリも遠く及ばない奇怪な幻想能力。時代を超越したおそるべき天才画家ボスの視線は、何を見、われわれ現代人に何を語りかけるのか。中世、謎の画家ボスの作品世界と人間像に迫る。
出版社からのコメント
悪夢。幻想。終末感が漂う地獄絵。奇快な幻影に満ちた芸術表現を通して痛烈に世界を風刺してみせた、中世期末の謎の天才画家ボス。人間の罪の告発か、混迷からの救済の希望なのか…。その不思議な感性に共鳴した作家・中野孝次が“人間ボス”を書き下ろす。



