内容(「BOOK」データベースより)
山と旅を友とし、絵と詩文に遊んだ辻まことは、一面で中国
での戦争体験を心に持ち続けた。伊藤野枝と別れ放浪した辻潤とは対照的に、健康でたくましく生き抜く知を見出した辻まことの中に、自分の戦争体験を重ね、ひとつの昭和精神史を描き出した異色の評伝。

1 解読の方法(辻潤の「発端ばかりの生」
辻まことの「生に対する動物的予知能力」
辻まことの「わが濫読史」―ショーペンハウェルと中里介山『大菩薩峠』)
2 辻まことの世界(辻まこと夫妻「遺稿」
辻まこと自らによる「略歴」
辻まことの「手作りの人生」―『虫類図譜』
「言葉が見える」ということ―「無限」と「永遠」の肯定
絶筆・すぎゆくアダモ)
3 半眼微笑―吉田一穂と「辻まこと」と脩三(東洋における自然
芸術は“比率”にある)