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世界がこんなに騒がしい日には: 門 秀彦: 本

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世界がこんなに騒がしい日には

世界がこんなに騒がしい日には

内容(「BOOK」データベースより)

耳の聞こえない両親のもとに生まれた、新進気鋭アーティストの感動ストーリー。

内容(「MARC」データベースより)

耳の聞こえない両親から生まれた、健常者のアーティスト門秀彦。幼い頃から健常者と障害者のコミュニケーションを続けてきた人間にしか、紡ぎえない言葉がある。様々なコミュニケーションギャップを通して人間のあり方を語る。

出版社からのコメント

耳の聞こえない両親のもとに生まれた新進気鋭のアーティスト、門秀彦の「心が震えて」「心が開かれて」「涙がこぼれる」感動ストーリー。 タレントの渡辺満里奈さんご推薦の書籍です。 著者は「BEAMS」で個展開催+[オリジナルデザインTシャツ]が大人気で、「森美術館」で手話を使った[サインツアー]を行っているアーティストです。

著者からのコメント

この本は、僕が生まれてから現在に至るまでの33年間を綴った自伝的エッセイです。ただし、ここにかかれているのはサクセスストーリーでも苦労話でもありません。ただ、小さな点が線になった話。映像を浮かべながら読んでくれたら嬉しいです。


著者について

門 秀彦/1971年4月30日生まれ/長崎県出身
PAINTING/グラフィックデザイン/イラスト/T-SHIRTS企画デザイン
独学でペインティング、グラフィックデザインを学び、地元長崎にて壁画制作、ライブペインティング、タウン誌のコラムを連載。
個展活動を続けながら98年よりT-SHIRTSブランド[RING BELLS][AOP]等を立ち上げ現在2003年までに[BEAMS]ほかセレクトショップにて全国展開。2001年よりデザイナー、イラストレーターとしてCDジャケット、ロゴデザイン、ライブパンフレットデザイン等の制作も手掛ける。書籍に[RING BELLS](ぶんか社より2002年出版)


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

門 秀彦
1971年生まれ。独学で絵画、デザインを学び1996年より個展活動を始める。1998年よりT‐SHIRTブランド「RING BELLS」を立ち上げ、現在2004年までに「BEAMS」ほかセレクトショップにて全国展開。2001年よりフリーのデザイナー、イラストレーターとして大沢誉志幸、佐野元春、サーフィス等のアートワークに参加。他に森美術館での手話によるギャラリーツアーのガイドも行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

抜粋

自画像

僕は声が聞こえない世界に生まれました。
それは音は聞こえるのに声が聞こえない世界。
最初、僕の声は誰にも届きませんでした。
父と母は僕の産声を聞いた事がありません。
父と母は僕が最初にしゃべった言葉を知りません。
父と母は僕の歌声を知りません。
父と母は僕が隣の部屋でどんなに泣き叫んでも気づきません。
壁を叩き
床を叩き
どんなに大きな音を出しても
それは届きませんでした。
最初、父と母の声は僕には見えませんでした。
僕は父や母に絵本を読んで聞かせてもらったことがありません。
僕は父や母と一緒に歌を唄った事がありません。
僕は父や母と電話で話した事がありません。
僕は父や母の涙の理由がわかりません。
一生懸命見つづけました。
見ている間は安心できました。
でも目を閉じるといつも一人ぼっちでした。
やがて僕の耳には外の世界の音が聞こえ始めました。
「耳が聞こえないのに偉いねぇ」
「耳が聞こえないのに立派だねぇ」
「耳が聞こえなくてかわいそうにねぇ」
「耳が聞こえなくて辛いだろうねぇ」
父の笑顔が悲しく見えました。
母の背中が小さく見えました。
自分がかわいそうな子に見えました。
やがて僕の耳には変な音が聞こえ始めました.
「耳が聞こえないのに子供のしつけは出来るのかしら」
「耳が聞こえないのに仕事が出来るのかしら」
「耳が聞こえないのに字が読めるのかしら」
「耳が聞こえないのに難しい話がわかるのかしら」
僕は父や母と引き離される気がしました。
僕は自分の聞こえる耳をふさぎたくなりました。
僕は時折、聞こえないふりをしました。
僕は音のある世界に出て行かなくてはならなくなりました。
友達は僕の名前を呼びました。
友達は僕の小さな声にも振り向きました。
友達は僕に話しかけました。
僕は友達とおしゃべりしました。
よけいな事までしゃべるようになりました。
けんかしたりもしました。
でも友達の声は目を閉じても聞こえました。
僕はもう目を閉じても一人ぼっちじゃなくなりました。
やがて、僕の声は音のある世界に届き始めました
僕の声は父や母の声になりました。
僕の声は父や母を音のある世界に連れ出しました。
僕の声は僕の耳に聞こえる変な音から父と母を守りました。
僕の声は僕の耳に聞こえる変な音を叩きのめしました。
音のある世界がゆがんで見えました。
音のある世界が汚れて見えました。
音のある世界から離れられない自分も汚れて見えました。
やがて、僕の目には父と母の声が見えはじめました。
誰も悲しむ必要はないんだよ。
誰も責める必要はないんだよ。
おまえの声はちゃんと見えているんだよ。
おまえの心の声はちゃんと聞こえているんだよ。
僕は泣きました。
そして
僕の耳にはやさしい音が聞こえるようになりました。
僕の声は遠くまで響くようになりました。
僕の目は綺麗なものが見えるようになりました。
僕に耳をくれてありがとう。
僕に声をくれてありがとう。
僕に目をくれてありがとう。
僕を生んでくれてありがとう。


目次

自画像
魔法の電話
おしゃべりな絵

箱庭
かわいそうな子
怒りと悲しみの絵
檻の中の魚の絵
キリストとゾウの群れの絵
天使が舞い降りてくる絵
2本の電話
スタートライン
終わりとはじまり
出会い
僕の絵と君の歌
夢の勲章
リングベル
HAND TALK=HEART TALK
ブナの木の絵
AOP
世界がこんなに騒がしい日には