巻頭を飾るカラー図版には、ゴーリー描くところのポスター、精巧なつくりの飛び出す絵本、あるいはカレンダー、ぬいぐるみ、スタンプ、ピンバッチ、T-シャツなどゴーリーグッズの数々。寡作そうな、秘密めいた作風の絵本しか知らなかった目には、意外に大衆性のある、ゴーリーの新たな像があざやかに見える。
編者濱中利信による、120冊の「Primary Books」(ゴーリー自身の、またはそれに準じるものとして発表された作品)カタログが圧巻。ゴーリーの膨大な作品の一端を、表紙のカラー写真と短い解説文でつぶさに紹介するこの労作は、奥深いゴーリー世界への魅力的な窓口となっている。濱中は、1999年にゴーリー紹介のホームページを開設した、日本でのゴーリー・マニアの第一人者。
その濱中に、既刊6冊のゴーリー本名訳者柴田元幸と、小説家でエッセイスト、絵本の翻訳も多い江國香織が加わった鼎談が楽しい。ゴーリー本の版元ニューヨークの伝説的古書店ゴサム・ブックマートの店主や、サンフランシスコ在住のゴーリー研究家によるエッセイほか、どの著者からも、読者をゴーリー・コレクターへと誘う、怪しく知的な風が吹いてくる。ゴーリーその人の顔写真もさりげなく一葉。これは貴重、見てのお楽しみ。
ひそかに濃く楽しんできたマニアには、ファン層が一挙に拡がりそうな、うれしくも不安なる1冊かもしれない。(中村えつこ)
内容(「MARC」データベースより)
出版社からのコメント
2000年10月から刊行を開始したエドワード・ゴーリーの絵本シリーズは、おかげさまで大好評を頂いております。多くの読者からの励ましを得られ、「ゴーリーってどんな人だったの?」「他にどんな本が出ているの?」等、反響がありました。そこで、第3シリーズ刊行を前に、ゴーリーの魅力を紹介する本を作ることに致しました。
ゴーリー作品のコレクター、研究者であり、「Wonderful World of Edward Gorey」という素晴らしいホームページを1999年10月から開設している濱中利信氏の協力を得て、濱中氏のコレクションを中心にゴーリー作品の魅力をおおいに伝えられる本に仕上がったかと存じます。また、著作権管理者の一人であり良き理解者であった、ニューヨークの伝説的書店Gotham Book Mart & Galleryの店主アンドレアス・ブラウン氏のエッセイや、ゴーリー本人に出会ったことのある数少ない日本 人、イラストレーターの磯田和一氏のエッセイなど、様様な角度から作家を知ることができます。さらに、訳者柴田元幸氏と作家江國香織氏、濱中氏の3人でゴーリー作品の魅力を語り合った「特別座談会」、「ゴーリーを知るためのアルファベット」など、読み応えたっぷりの内容です。
今後もさまざまな展開をしたいと考えております。また、第3シリーズも、選りすぐりの傑作をあっと驚く仕掛けと造本で刊行予定ですのでどうぞお楽しみに!



